「内臓への詫び状」ヨーグルト


仕事帰りのスーパー、午後8時の「値引きシール・オーケストラ」。

店員さんの手元でピカッと光るコロッケ「半額」の二文字を、
ハヤブサのごとき速さでカゴにシュート!
その瞬間、勝利のファンファーレがパラリラパラリラと鳴り響く。

これをバックヤードで丁寧に揚げ、
黄金の「半額シール」をペタッと聖痕のように刻んでくれた
スーパーのお惣菜コーナーのおばちゃん……。

貴女は、令和の時代に舞い降りた救世主(メシア)ですか?
ありがとう、おばちゃん。
うまっ。油分が、疲弊した脳髄に直撃してポワァ〜ンと溶けていく。

胃袋が幸せな揚げ物で満たされた時、闇の声が囁く。
「……なぁ、冷凍庫に、あのバニラの濃厚なやつ、眠ってるだろ?」

悪魔の誘惑。
乳脂肪分の甘い罠。

しかし、今の私は「代謝の曲がり角」を白目剥きながら全力疾走中の、
自称・節制プロフェッショナル。

冷凍庫の重い扉をフンッと押し戻し、私はおもむろに、冷蔵庫の最下段から「機能性ヨーグルト」を召喚する。

パッケージに踊る「体脂肪を減らす」とか「内臓脂肪をどうにかする」とかいう、
もはや神頼みというか、ただの**「内臓への土下座」**に近い呪文を、**ジッ……**と穴が開くほど凝視する。

アイスという「一時の快楽を売る悪女」を振り切り、ヨーグルトという「口うるさいけど健康を願う幼馴染」を選んだ自分。

「えらくね? 私、今夜は最高に徳を積んでるよね?」と、全細胞をヨシヨシしてあげる。

「丁寧な暮らし」の教科書には、私の名前は一生載らないだろう。
けれど、私は今、自愛の頂点にドーン!と君臨しているのだ。